非破壊検査とは
非破壊検査
非破壊検査とは、物を壊さずにその内部の傷や表面の傷、あるいは劣化の状況を調べ出す検査技術のことです。高圧ガスプラントの検査では「浸透探傷試験」「磁粉探傷試験」「超音波肉厚測定」の3つを主に使われており、高圧ガス保安協会が発行する検査基準に非破壊検査を実施しプラントの検査をするよう書かれています。
浸透探傷試験
浸透探傷試験とは、試験体の表面に開口している微細なキズに、見えやすい色や輝きを持たせた浸透性の良い液体(浸透液)を浸み込ませ、再度表面に吸い出すことによりキズを拡大して見つけ出すことができる検査方法です。
-
STEP1
キズがありそうな箇所に浸透剤を塗布。奥まで浸透させる
-
STEP2
表面に付いた浸透剤を拭き取る
-
STEP3
表面を拭き取った後に現像剤を塗布
-
STEP4
キズ奥の赤い浸透剤が浮き出てくるので、キズの有無を確認できる最後に全てふき取る
磁粉探傷試験
磁粉探傷試験とは、キズがある部分に強磁石で挟み、そこに磁粉が混ざった液をかけることで液内の磁粉がキズ部分に集まり、キズの有無を確認できるようにする検査方法です。キズがある場合磁石間の磁力が歪み、その部分に磁粉が集まりやすくなることを利用してキズを探し出します。
カグラでは貯槽内で実施するので蛍光磁粉を使用します。
-
STEP1
貯槽内部の溶接線の横にマグナを当てる
-
STEP2
マグナをあてると、亀裂(キズ)がある部分に磁極が発生する
-
STEP3
マグナ付近に磁粉を塗布する
-
STEP4
キズ部分の磁力に磁粉が集まるのでブラックライトを照射し目視確認
超音波肉厚測定
超音波肉厚測定とは、貯槽や配管が何らかの理由で減肉(厚さが減る)しているかを確認する検査方法です。
超音波は物体の境界面に到達すると反射する性質があります。超音波肉厚測定器の探触子から音波を発信、その反射した音波が返ってきた時間によって厚さを計算します。対象の物質によって音波の速度が変わるので、測定の際には注意が必要です。
厚さ=1/2×音波の速度×受信伝播時間